働く側(病気や障がいのある方)向け6つのYes/No:HIV陽性者編
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HIV陽性とわかったら仕事をやめたり、大幅に減らしたほうがいい?
- 回答
- No
- ―解説―
- HIV陽性とわかったらといって、仕事をやめる必要も、転職する必要もありません。また、仕事の量を大幅に減らす必要もありません。多くHIV陽性者の方が、週5日あるいは正社員で勤務しています。ただし、治療薬を変更した直後や、合併症を起こした時など、体調が悪くなるときもありますので、そうした場合には、多少仕事の量や時間を調整してもらえるとよいでしょう。
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HIV陽性であることは、職場の同僚や上司に絶対に伝える必要がある?
- 回答
- No
- ―解説―
- 病気や障がいに限りませんが、個人のことを職場の同僚や上司に伝えなければいけないということは基本的にありません。ましてや差別的な態度を取られたりして働きづらくなる可能性のある「HIV陽性」ということを職場で伝える必要も全くありません。もしも伝えたい人がいたら「本当に伝えて大丈夫か」「伝えることでどんなメリットがあるのか」を考え慎重になりつつ、必要があれば伝えればいいでしょう。伝える・伝えないは、あなたご自身の意思で決めるべきであり、決め手は、メリットとデメリットを考えて、メリットが大きい場合に、限られた人に伝えるという姿勢を持つことかと思います。
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体調が安定していればだいたい2~3ヶ月に1回程度の通院頻度となる?
- 回答
- Yes
- ―解説―
- たしかに定期的な通院は必要になりますが、体調が落ち着いていれば通院頻度は低くなります。実際、Futures Japanが2016-2017年に実施したHIV陽性者対象のウェブ調査では、通院しているHIV陽性者1002人に通院頻度をたずねていますが、3か月に1回が55%、2か月に1回が24%、1か月に1回が16%でした。2~3ヶ月に1回程度の通院は平日になることが多いために、場合によっては仕事の調整などが必要になる可能性も出てきます。
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障害者を雇用するために設けられた枠でHIV陽性者が企業で働くこともできる?
- 回答
- Yes
- ―解説―
- 身体障害者手帳を取得しているHIV陽性者は、障害者雇用枠によって企業で働くことができます。
「障害者枠雇用」とは、企業が障害者を雇用するために設けられた枠のことを言います。
国としても、「障害者雇用促進法」を制定し、障害者の雇用義務など障害者雇用対策を進めています。この法律では、法定雇用率というのが義務付けられており、一定規模以上の企業は2018年4月からは雇用する労働者の2.2%以上については障害者を雇用するものとされ、またそれぞれの障害に対して働きやすい環境を整える義務があります。
この障害者枠は、以下の方が対象となります。- 知的障害者、精神障害者、身体障害者のいずれかにあてはまっている
- 障害者手帳や療育手帳を持っている、あるいは就職するまでに持っていること
いずれかの障害認定をされており、手帳を持っている方が「障害者雇用枠」の条件にあてはまります。HIV陽性者は免疫機能障害により障害者手帳を取得することができますので、ほとんどの方は上記に該当します。
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医療機関のスタッフと就労や仕事について相談することもできる?
- 回答
- Yes
- ―解説―
- 就職活動をしたり、仕事を続けたり、転職したりするときには、ご自身の体調との兼ね合いを考えるべき場合もあります。さまざまな不安もあったりするでしょう。医師や看護師、カウンセラー、ソーシャルワーカーなどにまずは相談してみることもできます。必要があれば、適切な相談窓口を紹介してもらえます。ご自身の健康が第一ですから、医療機関のスタッフと健康状態について中長期的な展望も含めて念入りに話して、就労や転職について検討することができます。
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HIV陽性だからといって将来の夢や生きがいを捨てる必要はない?
- 回答
- Yes
- ―解説―
- はい、その通りです。現在のHIVの治療の進歩はめまぐるしく、HIV陽性であっても、そうでない人と同じくらい健康で長寿となっています。ですから、将来の夢や生きがいを捨てる必要は全くありません。実際、多くの方が夢を持ち、生きがいを持って、日々の生活を送っています。